先週から英語学習の為フィリピンに短期留学に来ています。
4週間滞在の予定なので1月10日まで、初の海外での年越しとなります。
さて、折角フィリピンに来たのでこの国の事をもう少しよく知りたいと思い色々と調べみました。
マクロデータで見るフィリピン
ご存じの通り成長を続ける東南アジアの国々。
フィリピンも例外ではなく近隣国同様に様々なマクロデータがその成長を表しています。

人口は2012年時点で9500万人以上、10年後には日本を追い抜くでしょう。

一人当たりGDPは2012年時点で2,611US$ 5年前と比べて1.5倍に伸びています。

GDPは2012年時点で2,500億US$ こちらも5年間で1.7倍に伸びています。
というように順調に経済成長しており、今後も当然伸び続けるという予測が立っているフィリピン。
理由としては主に下記の2つがあげられています。
①海外からの直接投資が順調に増加
②安定した海外出稼ぎ労働者からの送金
①海外からの直接投資が順調に増加

※JETRO調べ
2012年時点で直接投資額は68億US$、年々増加をしてきています。
この理由としては当然人口や経済成長などマーケットとしての魅力が伸びてきていることもありますが優秀な英語人材が低賃金で雇えるという事でコールセンターやITエンジニアとしてフィリピン人を雇いたい外資系企業が増えてきているのも一因だと思います。最近ではセブ島なんかにオフショアの開発拠点を置く日系企業も増えてきました。
また、以前は国の汚職問題などがひどく少し敬遠されていたようですが、反汚職の取り組みなどが功を奏しはじめ有効な投資適格国として評価され始めているようです。
②安定した海外出稼ぎ労働者からの送金

※三菱UFJ銀行調査データより
フィリピンが数年前から出稼ぎ施策のようなものを始め、今では1000万人近くの出稼ぎ労働者がいると言われています。国内の労働人口が4000万人と考えると合計労働人口が5000万人で働ける人5人に1人が海外で働いている国という事になります。
また、2012年時点で海外出稼ぎ労働者からのフィリピン送金額は214億US$
これは銀行を通した金額なので実際に手渡しなどほかの方法も含めて考えると倍の400億US$近くあると言われています。2013年度の国家予算が490億US$なので国家予算に近い金額が出稼ぎ労働者から送られてきているというからすごい。日本にも多くのフィリピン人が来ていますが彼らはフィリピンという国家を支える貴重な労働力だと考えると少し見方も変わりますよね。
フィリピン人に聞くフィリピン経済
私が通う学校では経済について話をする機会も多くフィリピンの人達が
自国の経済についてどう考えているか何人かの先生から聞くことが出来ました。
僕「How is the Philippine's economy?」
先生A「It's bad」
先生B「No good」
先生C「terrible」
誰に聞いても大概がこんな感じのリアクションになります。
僕「でもフィリピンの経済は伸びてるじゃん?」
先生A「あんなの嘘よ」
先生B「私たちの給料なんて全く上がらないし」
先生C「政府は腐りきってるわ」
こんな話をされます。
長期政権のアキノ大統領ですが一般市民からの人気が盤石とは言えないようです。
では実際のところはどうなのか?
それは今の僕にはわかりませんがもう少しだけ調べてみました。

各国の失業率推移を見てみるとフィリピンが断トツで高く、7%前後からなかなか改善できていないのがわかります。
日本とは違い豊富な労働人口がいるものの、その人たちに与える仕事がなかなか作れていないということでしょうか。
次に商工会議所からこんなデータが出ているのを見つけました。

※フィリピン日本人商工会議所データ
世帯収入月額別の世帯数、これを少し加工してみました。
まず人口について、こっちに来てフィリピンのこのデータでいうClassC、D、Eの人達と話をしていて兄弟の話を聞くと、みんな異常に兄弟が多いのです。10人兄弟なんていうのが当たり前です。単純に人口を世帯数で割ると人世帯当たり5人家族という計算になりますが、フィリピンの場合、高所得層はあまり多くの子供を持たず低所得層の方が多くの家族を抱えているようです。
これには性教育の問題なども関連しているようですが本当のところはよくわかりません。
とりあえず、聞いた話を元に階層別の想定世帯内人数をだし人口を出してみました。

※フィリピン日本人商工会議所データを基に作成
この計算でいくとClassAとBはわずか66万人しかいないという事になります。
フィリピンの経済を動かしているといわれる華僑がフィリピンには100万人以上いると言われていますがこのデータでいくとClassA,Bの大半は華僑なのではという想像もできます。
次に世帯収入がフィリピンの金額だと実感がわかないので日本円換算、日本物価換算してみました。

※フィリピン日本人商工会議所データを基に作成
そうすると上記の通り、日本物価換算すると世帯月収が23万円以下の世帯が78%、人口でいくと83%が世帯収入23万円以下で暮らしているという事になります。物価換算してこの数字は驚きです。
一応日本のデータも総務省のデータを参照してみました。
日本は核家族化など状況は違うものの世帯収入100万円以下が10%未満。
やはり日本は豊かな国です。

結論
フィリピンの経済が全体として伸びているのは間違いない。
ただし一般的なフィリピン人の多くは貧困層であり
彼らの生活水準改善は依然として深刻な問題となってる。
これが今回私が調べてみて感じたフィリピンという国の経済です。
日本から報道や数字だけで見てしまうと気づかない事も現地に来て現地の人の
生の声を聞くことでわかることが沢山あります。
海外に出て一番学んだのはこの学ぶ事の大切さかもしれません。
まだまだ視野が狭いですがこれからも現地に赴いて色々と学んでいきたいと思います。
4週間滞在の予定なので1月10日まで、初の海外での年越しとなります。
さて、折角フィリピンに来たのでこの国の事をもう少しよく知りたいと思い色々と調べみました。
マクロデータで見るフィリピン
ご存じの通り成長を続ける東南アジアの国々。
フィリピンも例外ではなく近隣国同様に様々なマクロデータがその成長を表しています。

人口は2012年時点で9500万人以上、10年後には日本を追い抜くでしょう。

一人当たりGDPは2012年時点で2,611US$ 5年前と比べて1.5倍に伸びています。

GDPは2012年時点で2,500億US$ こちらも5年間で1.7倍に伸びています。
というように順調に経済成長しており、今後も当然伸び続けるという予測が立っているフィリピン。
理由としては主に下記の2つがあげられています。
①海外からの直接投資が順調に増加
②安定した海外出稼ぎ労働者からの送金
①海外からの直接投資が順調に増加

※JETRO調べ
2012年時点で直接投資額は68億US$、年々増加をしてきています。
この理由としては当然人口や経済成長などマーケットとしての魅力が伸びてきていることもありますが優秀な英語人材が低賃金で雇えるという事でコールセンターやITエンジニアとしてフィリピン人を雇いたい外資系企業が増えてきているのも一因だと思います。最近ではセブ島なんかにオフショアの開発拠点を置く日系企業も増えてきました。
また、以前は国の汚職問題などがひどく少し敬遠されていたようですが、反汚職の取り組みなどが功を奏しはじめ有効な投資適格国として評価され始めているようです。
②安定した海外出稼ぎ労働者からの送金

※三菱UFJ銀行調査データより
フィリピンが数年前から出稼ぎ施策のようなものを始め、今では1000万人近くの出稼ぎ労働者がいると言われています。国内の労働人口が4000万人と考えると合計労働人口が5000万人で働ける人5人に1人が海外で働いている国という事になります。
また、2012年時点で海外出稼ぎ労働者からのフィリピン送金額は214億US$
これは銀行を通した金額なので実際に手渡しなどほかの方法も含めて考えると倍の400億US$近くあると言われています。2013年度の国家予算が490億US$なので国家予算に近い金額が出稼ぎ労働者から送られてきているというからすごい。日本にも多くのフィリピン人が来ていますが彼らはフィリピンという国家を支える貴重な労働力だと考えると少し見方も変わりますよね。
フィリピン人に聞くフィリピン経済
私が通う学校では経済について話をする機会も多くフィリピンの人達が
自国の経済についてどう考えているか何人かの先生から聞くことが出来ました。
僕「How is the Philippine's economy?」
先生A「It's bad」
先生B「No good」
先生C「terrible」
誰に聞いても大概がこんな感じのリアクションになります。
僕「でもフィリピンの経済は伸びてるじゃん?」
先生A「あんなの嘘よ」
先生B「私たちの給料なんて全く上がらないし」
先生C「政府は腐りきってるわ」
こんな話をされます。
長期政権のアキノ大統領ですが一般市民からの人気が盤石とは言えないようです。
では実際のところはどうなのか?
それは今の僕にはわかりませんがもう少しだけ調べてみました。

各国の失業率推移を見てみるとフィリピンが断トツで高く、7%前後からなかなか改善できていないのがわかります。
日本とは違い豊富な労働人口がいるものの、その人たちに与える仕事がなかなか作れていないということでしょうか。
次に商工会議所からこんなデータが出ているのを見つけました。

※フィリピン日本人商工会議所データ
世帯収入月額別の世帯数、これを少し加工してみました。
まず人口について、こっちに来てフィリピンのこのデータでいうClassC、D、Eの人達と話をしていて兄弟の話を聞くと、みんな異常に兄弟が多いのです。10人兄弟なんていうのが当たり前です。単純に人口を世帯数で割ると人世帯当たり5人家族という計算になりますが、フィリピンの場合、高所得層はあまり多くの子供を持たず低所得層の方が多くの家族を抱えているようです。
これには性教育の問題なども関連しているようですが本当のところはよくわかりません。
とりあえず、聞いた話を元に階層別の想定世帯内人数をだし人口を出してみました。

※フィリピン日本人商工会議所データを基に作成
この計算でいくとClassAとBはわずか66万人しかいないという事になります。
フィリピンの経済を動かしているといわれる華僑がフィリピンには100万人以上いると言われていますがこのデータでいくとClassA,Bの大半は華僑なのではという想像もできます。
次に世帯収入がフィリピンの金額だと実感がわかないので日本円換算、日本物価換算してみました。

※フィリピン日本人商工会議所データを基に作成
そうすると上記の通り、日本物価換算すると世帯月収が23万円以下の世帯が78%、人口でいくと83%が世帯収入23万円以下で暮らしているという事になります。物価換算してこの数字は驚きです。
一応日本のデータも総務省のデータを参照してみました。
日本は核家族化など状況は違うものの世帯収入100万円以下が10%未満。
やはり日本は豊かな国です。

結論
フィリピンの経済が全体として伸びているのは間違いない。
ただし一般的なフィリピン人の多くは貧困層であり
彼らの生活水準改善は依然として深刻な問題となってる。
これが今回私が調べてみて感じたフィリピンという国の経済です。
日本から報道や数字だけで見てしまうと気づかない事も現地に来て現地の人の
生の声を聞くことでわかることが沢山あります。
海外に出て一番学んだのはこの学ぶ事の大切さかもしれません。
まだまだ視野が狭いですがこれからも現地に赴いて色々と学んでいきたいと思います。